景正鍛刀場

作品詳細Works Gallely

日州國正作 平成二十九年春 日州國正作 平成二十九年春 日州國正作 平成二十九年春

日州國正作 平成二十九年春

刃長71.1cm 反り1.9cm
2017年
この皆焼の刀は、南北朝時代に京で活躍した名工、長谷部國信の大傑作の太刀、号唐柏(からかしわ)の押型を参考に焼きました。
皆焼―ひたつらー南北朝時代の相州伝の名工、秋廣や廣光などが有名ですが、飛び焼を交えた覇気溢れる大乱れが受けたのか同時期の他地域も見られます。
に見られます。
押型―おしがたー刀身を手書きで写しとったもので、昔からありますが、刃文や姿が非常にわかりやすいので現代でもよく使われます。公益財団法人日本美術刀剣保存協会の学芸員は伝統的に上手です)

この刀は私としては奇跡的といってもよいほどの刃文が焼け、我ながら会心の力作だと自負しています。しかし目標は唐柏の太刀の再現です。そこで刀剣協会の日野原先生に見ていただきながらご意見を伺っていました。
その際、「唐柏」を個人で所持しておられる方を紹介していただきました。その足でご自宅を訪ねて憧れの唐柏を手に取ってじっくり眺めさせていただきました。
たまたま都合があったのでしょうが、これはもう天祐としか思えません。
本当に素晴らしい大名刀で、残りの刀鍛冶人生をこの皆焼刃の完成に賭けようと決意したのです。ナカゴがかなり特殊な形で、後世の加工があるのかなーと思っていましたが、現物にはその跡は確認できませんでした。國信の手、そのままだと信じて、そこも写して行こうと思います。